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秋と春の彼岸(ひがん・ほとけさまの世界)とは此岸(しがん・我々普通の人間世界)から彼岸へと向かうための修行の期間であります。忙しすぎて、頭の中身だけすでに彼岸へ旅立ってしまったかのようなおもて順です
さて、もう何度もお伝えしてきましたが、秋のお彼岸前には恒例の七面山敬慎院(しちめんさんけいしんいん)の大祭があります。毎年その様子はブログで報告しているので、どんな所か、どんな行事かはそちらをクリックしてご覧下さいね平成26年平成25年
毎年の事なので、今年はちょっと趣向を変えたご報告を。七面山はおいらが住む身延山のお隣のお山。標高1982mの山頂には、身延山の裏鬼門、人々の願いを叶え、ご守護下さる七面大明神(しちめんだいみょうじん)という、超ご利益のある神さまがお祀りされています。初めて行かれた方はこんな山の上にこんな立派で大きなお寺があるのかとビックリされますこのお山はロープウェイも道路も無いので、行くには歩いて登るしか方法はありません。登山道で言うと中級クラス。大抵の方は3時間~5時間程度かかります。登山目当てのお客さんもおられますが、信仰のお山ですから大半はお参りの方。夕方と朝のお経にお参りして頂き、さらに富士山とご来光を拝んで下山されるのが基本的な行程です
七面山の表参道にはそんな登詣修行される皆さんの為に、途中で休憩できるスポットが。お山は50丁の道のりで区切られ、その内4箇所に坊があって休憩をしたり、お手洗いをお借りする事ができます下から2丁目・神力坊(じんりきぼう)さん、13丁目・肝心坊(かんじんぼう)さん、23丁目・中適坊(ちゅうてきぼう)さん、36丁目・晴雲坊(せいうんぼう)さん。各坊では飲物や季節にはかき氷なども販売していたりします。おいらもお参りの際には各坊で飲物などをありがた~く頂戴し、何度となく息を吹き返しながら登詣を続けています
さて、この各坊の中でも年に数日しか頂く事が出来ない、超激レアなメニューが・・・。それは世代を超えて愛される日本国民の定番メニュー、「お・で・ん」。このおでんを提供して下さっているのは、36丁目の晴雲坊さん。いつも元気なおばあちゃんと、お姉さんが笑顔とともにアツアツおでんをよそってくれます今年はおいらが辿り着くと、顔見知りの美魔女奥様が2人先に到着されており、今まさに「おでんいっただきま~すとほおばる所でありました。おいらもご挨拶を済ませ、お楽しみのおでんを頂戴しました。あっさりな出汁で煮込まれたおでんは、コンビニなどでも見かける専用の容器からお皿に盛られ、アツアツで頂けます。この季節はもうお山は肌寒く感じます。なので、この時期のおでんはもう最高冷えた体におでんの出汁と旨みが染み渡って行くようです。コンニャク、はんぺん、コンブ、大根等の鉄板メニュー。誰ですか「品数が少ないじゃん」なんて無粋な事を言うお方はこのお山の山頂近くでおでんを頂ける自体がすでにミラクルなのですよ。汗をたっぷりかき、標高1500メートルほどまで登り、今度は体が冷えて来る。その時、目の前におでんの容器からもうもうと沸き立つ湯気と鼻腔をくすぐるお出汁の何とも言えない良い香り。これは砂漠で遭難しかけてオアシスに遭遇する喜びに匹敵すると言っても過言ではありませんさらに近年はこのおでん、ホントの激レアメニューになってしまいました。以前は通年販売の名物メニューだったけど、今は年に1度の大祭の時と繁忙期の数日に提供するかしないか位との事。それだけに、このおでんを食べる事が出来た事自体が超ラッキーなのです。
   晴雲坊さん (1)   超うまそうなおでん
こちらのおでん、霊山であるお山の霊気と大自然のパワーに触れているせいか、神秘的なおいしさ。ただ、そのおいしさには更なる理由があるのです。これは前にも書いた事ですが、この標高、この場所ではまずは物資を運び上げるところから始まります。荷物用のケーブルで途中まで上げ、あとは全て背負って人力で坊まで運ぶしかありませんおいらもお山に勤務していた際、偶然その場に出くわし、修行と勉強の為に少しだけ運ぶのをお手伝いさせて頂きました。かなりの重量の食材を背負い、あの山道を歩くのは至難の業。少し歩いただけで、どんどん背中の荷物が肩に食い込んできます。おばあちゃんやお姉さんは何十年もこの重い食材を運ばれ、美味しく仕込み、お参りの皆さんにおいしいおでんを提供して下さっているのです。おいらは身をもってそのご苦労を経験させて頂いてから、数十倍もおでんが美味しく感じるようになりましたこれはもう商売とかそんなものではなく、皆さんにご慰労、喜び、美味しさを布施する、まさにご修行なのではないかと感じます。この功徳もきっとおでんの中にスパイスとして含まれているはず。そのおかげかこのおでんをほおばっている皆さんを見ると、何ともみんな良い笑顔になるんですよねぇ
おいらは今年もおいしいおでんを頂いて、元気に大祭法要のお手伝いを済ませ戻る事ができました。皆さんも来年はこのミラクルおでんを楽しみに、七面山の大祭にぜひお参りして下さいね。運が良ければその日意外にも、頂く事が出来るかも。それはあなた日頃のお・こ・な・い次第かな

   おでんコーナーはこんな感じ   大祭翌日のご来光
晴雲坊・36丁目
山梨県南巨摩郡早川町赤沢1343 七面山表参道36丁目
定休日 不定休
おでん提供時期 9月18日・繁忙期のラッキーな日


※おでん好きなお父さん方、おでんに熱燗が欲しくなっても出てきませんから、我慢して下さいね
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