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ツユツユジメジメですね。梅雨のない北海道にでも逃げ出したいおもて順です
ジメツユのさなか、おいらはとある行事に参加していました。それは、おいら達が所属する日蓮宗総本山身延山久遠寺で行われた、開闢会(かいびゃくえ)というもの。すでに何回かご紹介していますが、これはおいら達の心のお師匠さま、日蓮大聖人が身延山に初めて入られた日をお祝いし、報恩感謝のお経を捧げる行事です。開闢とは信仰の地として山を開いたり、お寺を初めて建てたりした場合の難しい言い方今から742年前の文永11年(1274)旧暦5月17日、日蓮大聖人は身延山に入られました。現在では新暦の6月15・16・17日に大法要が行われ、前後の土日に往時を偲び着物で仮装したご入山行列も行われます。行列の様子は昨年もご紹介したので見て下さいね。
久遠寺で行われる大法要は、正式には開闢会天童音楽大法要(かいびゃくえてんどうおんがくだいほうよう)と言います。開闢とは先ほど申し上げた通りの意味。音楽とは法要中に唱えられる声明(しょうみょう)や、奏でられる雅楽などの事。声明はお経文などに音階が付いた歌のようなもの。何となく皆さんも耳にされた事があるのではさて、それでは天童とは・・・。これは一般的に言われるお稚児さん(おちごさん)の事です。小さなお子さんが着物やキラキラした飾りを身にまとって、お寺や神社の行事に参加するあれですね。現代ではそうした経験をされる子供達も少なくなってきているのかもしれませんが、お稚児さんの経験がある方はけっこう多いのでは地域によっては今でも盛んに行われてる所もあって、3回は経験しないと健康だったり幸せになれないなんて言われてるとか。
稚児と呼ばれる場合が多そうですが、お寺や神社によって呼び方も色々あるようです。身延山では『天童』。ここからはおいらの考えもありますからご了承をお願いします。天童とは仏教の色んな神さまや目に見えない世界の不思議な力を持った方々が子供の姿に変じて、この世に現れた者。ですから、大法要では単なる着飾ったかわいいお子さん達ではなく、中身は神仏であると言えます。全国的にも7歳位までは子供はまだ穢れの無い、神さまの子供と言い伝えられていたりしますきらびやかな衣装を身にまとい、飾り物をかぶり、おしろいなどの独特なメイクもまた、ただの子供ではない神仏であるからこそのものなのだと思います。寺社によって、お稚児さんをする意味は色々あるのだと思います。稚児になる事自体に徳があるとか、神事や仏事のお役目の一つとか、大人になる前の一種の通過儀礼的なものとか
身延山の天童の皆さん達には、とっても大事なお役目があります。それは、十種供養という行い。これは字の如く、十種類の供養と言う事です。おいら達が所属する日蓮宗では法華経(ほけきょう)というお経をお唱えします。28章からなるこのお経の10番目、法師品(ほっしほん)という章の中で、この事が説かれます。「種々に華・香・瓔珞・抹香・塗香・焼香・蓋・幢幡・衣服・妓楽を供養し、乃至合掌恭敬せん」すなわち、花やお香など10種類の品々や行いをほとけさまに丁重にご供養して差し上げる行いが示されていますこのお経文に基づき、今でも大法要中にこの品々に準じた十種類のご供養が、雅楽が演奏される中、天童によってほとけさま、日蓮大聖人に捧げられます。「別に大人がやってもいいじゃん」と思われる方もいるかも。でも、そこは天童の皆さんに行って頂く事に意義があるのだと思います。ほとけさま、日蓮大聖人を敬うからこそ清浄な天童によって、ご供養を捧げる事が最大限の敬い、感謝の表し方の一つなのではないでしょうかまた、法華経をお唱えしている場所には目には見えなくとも、自然とお経=ほとけさまのみ教えを聞きに、神仏やら色んな世界の皆さんが集まって来るのだとか。ですから、大法要のさなか天童の心身を借りて、変身した神仏がほとけさま、日蓮大聖人にご供養を捧げて下さっていてもおかしくないかもしれませんね。
身延山では4月、6月、10月の大法要に天童が10人出座をします。回数にして、年に10回ほど。天童になるお子さん達は、地元の保育園の年長さんにお願いをして来て頂きます子供達は大法要までに何度も作法を練習して本番に臨みます。そんな我が子の晴れ舞台を応援しようと、大法要には毎回多くの父兄の皆さん達も参詣に来られます。早い時間から慣れない衣装を身に付け、メイクをしいよいよ長~い大法要に臨みます。小さな体で、ご供養の品々を落とさないよう大事に持ち、きょろきょろしつつ緊張ぎみに作法をこなす姿は、見ていてとっても微笑ましいもの。我が子ではなくとも、つい心の中で「がんばれあと少しだよ」と毎回応援しています。その姿は何とも雅で愛らしく、参拝者が多い時などはお稚児さんが登場すると堂内がざわめき、「あら~」「まぁかわいいと思わずもれてしまった声があちらこちら聞こえてきます。今回はゆかいな仲間のウージーさんけんぼう、顔見知りの仲良しKidsが参加していたので、雅楽を担当するおいらも、演奏しながら子供達が気になって仕方がありませんでした。
毎回こうして天童の皆さんが参加してくれるのは、おいら達お坊さんにとっては宗教的意義として、とてもありがたい事また、子供達、ご父兄の皆さんにとっては、日本の伝統、文化に触れてもらえる貴重な機会だと思います。さらには良き思いで作りの一つにもなっているのでは。全国でも、まだまだ天童、お稚児さんを経験できる寺社仏閣がけっこうあるはず。未経験の皆さんも、お近くでぜひ一度参加されてみては。お稚児さんに参加したら、急に我が子が神々しくなるかもしれませんよ

メイク&着替え中の天童キッズ 捧げられた十種供養の品々 本番中の天童の皆さん
愛娘モンちゃんジュニアくんも数年したら、天童で参加させてもらえるかも。今からちょっと楽しみなおもて順です
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