Menu
憂鬱なのだ。好きな人はほとんどいないと思うけど、蒸し暑い梅雨にぐったりしてるうら順なのだ
おいらの宿坊にはおもての庭とうらの庭の2ヵ所に池があるのだ。おいらが子供の頃から変わらぬこの池には、数々の想い出があるのだ釣ってきたウグイやマスを入れたり、おもちゃの船を浮かべたり。小さな頃にはかなり厚く氷がはったので、2人の姉貴と一緒に乗ったりしたっけ。池に落ちたり、池のコイを釣ったりとよく遊んだのだ。最近でも前にお話したように、我が友ダメいぬコロンくんがコイを食べてしまったり、またある時は何十年ぶりかでおいらが足をすべらせて落ちたりと、今も何かと池にまつわる出来事が絶えないのだ
この所、うら庭の大きな池に変化があったのだ。それまでもりもりとエサを食べていたコイさん達が急に姿を隠してエサを食べなくなってしまったのだおいらの足りないおつむで推測するに、考えられる理由は3つ。
1・前にも『ハンター現る』シリーズでお話した苦い想い出がある宿敵、サギが再び襲撃に来ている。
2・寄生虫やウイルス等の病気にかかっている
3・このところ暑かったのでビールや冷えたワインを飲みすぎ、3日酔いで気持ちが悪くてエサが食べられない
3の可能性はおいら位にしかあてはまらないので残るは1と2。愛妻と愛娘モンちゃん、おふくろに聞くと、サギは目撃しておらず、可能性は低そう。すると、残るは病気の可能性が。おいらは早速、数種類の薬を買ってきて池に入れてみたのだ。すると・・・。何と薬の効果は超絶大。昨日まで、全く姿を見せなかったコイさん達が再び楽しそうに池をゆらゆらと泳ぎ始め、エサも徐々に食べ始めるようになったのだ。これ本当のお話。余談だけど、このお薬やペットフードなどを作っているおっきな会社の社長さんは熱心な法華経日蓮宗の信徒の方。おいらもご縁があって何度かお会いしてるのだ。この薬の効き目もひょっとしてご利益の賜物かもと、おいらは薬を思わず拝んでしまったのだ
   エサを争うクロコイキチ一族とたくさんいた頃の七面金魚の様子  4匹だけ残っている七面金魚の親
こんなプチ騒動のさなか、おいらはうれしい発見をしたのだ。今から5年ほど前の事、おいらは大量の金魚を頂いたのだ。その数約150匹。どこからというと、おいらが住む身延山(みのぶさん)のお隣の七面山(しちめんさん)から。日蓮宗や法華経のご信者さんはよくご存知の通り、このお山には七面大明神という法華経、身延山のご守護神がお祀りされているのだ。このお山は標高1982メートル。身延山の約2倍の高さ。富士山等の眺望が素晴らしく、中級位の登山道でもあるので、お参りの方だけではなく、登山者の方にもちょこっと知られたお山なのだこのお山の上には立派なお堂があり、その境内には大きな池があるのだ。この池は七面大明神や他の神さまが龍のお姿となって現れ、そのお姿を見たという方も昔から後を絶たないのだこの池はもともとはよく澄んだ美しい池。水底や水草も見え、四季折々の何とも言えない荘厳な美しさはまさに龍がでてきてもおかしくなさそうな雰囲気だったのだ。しか~し近年、心無い人がその聖なる池に金魚を放してしまい、その結果金魚が繁殖してしまったのだ。その後、残念な事に池は次第に水が濁り始め、すっかり昔の面影がなくなってしまったのだ。七面山は気候で言うと、北海道の旭川と似ていると言われているのだ。冬の寒さもかなり厳しいので、金魚なんて繁殖出来なさそう。しかし理由は分からないけれど、池の環境が金魚にあっていたのか、なぜか金魚は大量に増えてしまったのだ。それからというもの、代々お勤めをするお坊さんや職員の皆さんが、何とか金魚を一掃し、昔の美しい池に蘇えらせようと苦心され、捕獲したり色んな方法を試されてきているのだ。でも、未だに一掃は出来ていないのが現状。金魚との戦いも当分続きそう。
そうした流れの中で、ある時捕獲した金魚をおいらのお寺でも頂いたという訳。この時はかなり大量に捕獲したようで、おいらの所でもぜひ引き取って欲しいと言われありがたく頂戴したのだ。それまで錦ゴイも何度もいたけど、どうも水が合わないのか長生きできなかったのだ。なので当時は黒いコイしかおらず池は黒一色。色鮮やかな金魚をもらえるのは願ったり叶ったりだったのだたかが金魚といえど150匹位となるとけっこう見栄えもいいのだ。しかも、この七面金魚、普通の金魚と違い全てビックサイズ。中には20センチ以上あるものもいて、コイの子供と変わらない大きさなのだ。金魚達は大きな黒コイに負ける事無く、一緒になってエサを食べすぐに環境に順応していたのだ。2000メートル級の山の上で育っただけあって我が家の冬など全然平気な様子。おいらは毎日エサをあげるのが楽しみだったのだ。しかし思いがけず、サギが襲来するようになり、金魚は日を追うごとに数が少なくなっていったのだ。金魚は色も目立つし、サイズもサギには食べやすかったのかも。何度と無くサギとも戦ってきたけどおいらの完敗あれから5年間ほどで我が家の池の七面金魚はほぼ全滅。今では奇跡的に生き延びた4匹を残すのみとなってしまったのだ。でも、先日おいらは今まで見た事がない小さな金魚を裏の池で発見したのだ。最初は「あれ、なんでこんな金魚がと不思議に思ったけど、どうやら七面金魚が子孫を残すべく、いつしか子供を産んでいたようなのだ。その数2匹。きっと卵を産んでからここまで大きくなるまでにはもっと数がいたと思うけど、コイに食べられたりもしているはず。でも、その難をくぐりぬけ2匹だけ何とか大きくなってくれていたのだ。これまでコイは数え切れないほど子供が産まれ大きくなっているけれど、七面金魚の子供を見たのは初めて。七面山の池では増えては困るけど、おいらのお寺の池ではどんどん増えてもらってかまわないのだ。
ほとけさまか、はたまた七面大明神が示された奇瑞か。七面金魚のお家再興が始まったようなのだまたまた愛娘モンちゃんとの池のエサやりが楽しくなったうら順なのだ。

   奇跡の七面金魚Jr   奇跡の七面金魚Jrその2
※今、おいらは金色のアルビノ草魚を欲しいのだ。きれいだし、池の藻や水草を食べてくれるのだ。でも、外来何とかかんとかいけない魚指定になっているのか、飼ってもいいのかよく分からないのだ。個人で飼う分にはいいのかな
  • -
  • -