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そろそろ今年も終わりそうですね。毎年の大掃除、新年の準備に、愛娘モンちゃんの育児が加わり過労オジサン化しているおもて順です忙しさにかまけて、ちょっぴりブログの更新も遅れ気味に・・・。
おいらがお勤めしている身延山山頂のお堂、奥之院でも年末にはお正月に向けて様々な準備が行われます中でも毎年恒例となっているのが、境内のあちこちに飾られている大小のしめ縄を取り換える作業です。おそらく全国の寺社仏閣や一般のご家庭でも、新年を迎える際にはしめ縄を新調されているのではないでしょうか
奥之院では古来から地元の決まった地域の皆さんが『注連縄講』(しめなわこう)という組織を作り、毎年手作りしたしめ縄を奉納し飾り付けをして下さいます。よく、神社やお寺に『なんとか講』という名前があるのをご覧になった事があるかと思います今のお若い方は分からないかもしれませんが、『講』とか『講中』とは有志を募ってお寺や神社にお参りしたり、お祭りの際、奉仕をする集まりの事です。奥之院では注連縄講さんの他にも、『青物講』(あおものこう)とか『野菜講』(やさいこう)と言って、新年を迎える前に各ご家庭で収穫した沢山の野菜を持ち寄って、奉納して下さる講の方がおられます
近年では注連縄講さんと青物講さんは決まって12月25日頃に一緒にいらして下さいます。ですので、皆さんが来られると、いよいよ今年も終わりだなぁとしみじみと感じます。当日は20名程の方が軽トラックの荷台にしめ縄や野菜を満載して駆け付けて下さいます朝一番のロープウェイで山頂まで行くのですが、定員45名のロープウェイは、人としめ縄と野菜ですし詰めとなり1回では運び切れません。奥之院にはおいら達の心のお師匠様、日蓮大聖人が日本国の安泰とご両親、お師匠様のご供養の為に自らお手植えになられたと伝わる4本の杉の巨木がありますこのお手植え杉や仁王門、祖師堂に飾るしめ縄は太く長いもの。丸めてもかなり大きな輪っかになります。その他にも松や様々なお飾りがあるので、野菜なども合わせるとかなりの量になるのです
山頂に運び上げると、いよいよ今度は各所にしめ縄や松飾りを取り付けます。中でも1番大変なのが、お手植え杉へのしめ縄の飾り付けです。樹齢七百年以上の杉は幹回りも極太電話ボックスが3~4個合わせた位と言ったら良いでしょうか。この杉の周囲に簡単な足場を組み、4~5メートルの高さにしめ縄を結びます。数人で協力しながらしめ縄を巻き付け、裏側でちょうちょう結びにします。その姿は威風堂々、しめ縄をまいた相撲の横綱の姿を彷彿とさせますしめ縄はそもそも、神聖な場所との境、すなわち結界を意味する為の清浄なる飾り。神事に由来する大相撲の横綱がしめ縄を巻くのも、そういった理由からです。ただでさえ霊験新たかなお手植え杉ですが、しめ縄を巻き、さらに幣束(へいそく・白い紙等で作られた飾り。神仏へのお供え、乗り物の意味。)を取り付けると一層、荘厳さが増しますその他にも各お堂の入り口にしめ縄をはり、玄関に松飾りをたてたりします。この時期はすでに奥之院は真冬の気候。外の気温は日中でも零下になります。その中を皆さん、寒さに耐えながら飾り付けをして下さいます3時間程かけて一通りの飾り付けが終わると、最後に皆さんでお開扉(おかいちょう・日蓮大聖人のお姿の御前でお経を受ける儀式)を受け、大聖人に報恩感謝のお気持ちと、今年も無事に飾り付けを終えたご報告を申し上げます
今でこそ身延山ロープウェイが出来、簡単にしめ縄や野菜を運ぶ事が出来るようになりました。ですが、ロープウェイのない時代には皆さん、相当なご苦労をされ人力で全てを運ばれていたのだと思いますその昔は奥之院でも参籠(さんろう・修行の為の宿泊)をしていましたので、沢山の野菜や正月に欠かせないお飾りはとても貴重なものであったと思います。今でも当時のお志しを受け継いで、昔と変わらないしめ縄やお供えをご奉納頂ける事は大変ありがたい事であります
大聖人がご在世の時代から、多くの皆さんの尊い浄財や真心により、建物や日頃の生活が維持され、また現在のような発展をする事が出来たのだと思います時代は移り変われど、今でもその事に変わりはありません。奥之院を始めおいらの宿坊でも、本年も全国の多くの皆様から暖かいご志納を賜りました。ここにあらためまして、身延山より皆様のご多幸を祈念し、篤く篤く御礼申し上げます

お手植え杉(お母さん杉)にしめ縄を取付中 しめ縄を巻き終えたお手植え杉(お父さん杉) 祖師堂にしめ縄を取り付ける皆さん
※飾り付けが終わった午後からは雪がチラホラ舞い始めました松飾に雪が積もると、その冬は7回雪が降って、大雪もあるとの言い伝えが・・・。今から恐れおののいているおもて順です
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