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久しぶりの雨でなんだかうすら寒いのだ。うら順なのだおいらのお勤めする身延山山頂の気温はすでに2度。冷え症のおいらには嫌~な季節になってきたのだ。
とは言え、ふもとはまだそんなに寒くもなく、ようやく本格的な秋の気配といった感じなのだ。河口湖や山中湖で有名な富士五湖あたりは、紅葉が素晴らしくなってきたとか
さて、おいらのお寺では毎年秋になると、決まって自然からのお恵みがあるのだ。それは、秋の味覚、ゆずザクロ。この2つは今頃になるとちょうど実をたわわに実らせてくれるのだ。大体、少しだけザクロが先に実が熟してくるのだ。ザクロはおいらのお寺の本堂正面の向かって左側にあるのだ。近頃はだいぶくたびれザクロになってきたようで、木自体が倒れないようにつっかえ棒をして支えているのだ。おいらがものごころついた時にはすでに大きかったので、結構な年月が経っているのかも。小さい頃にはよくこのザクロの木に登って、ザクロを収穫したり、ぶら下がってサルごっこをして楽しんだっけたまには落ちて痛い思いもしたけれど、思い出深い木なのだ。
ザクロはおいら達、日蓮宗のお寺にはよく植えられているのだ。というのも、それは日蓮宗ではご守護神として鬼子母神(きしもじん)さまをお祀りしている事に由来するのだ。恐れ入谷の鬼子母神とか雑司ケ谷の鬼子母神で有名な、子育てや子宝、安産の神さまなのだお釈迦さまがおられた頃、改心前の鬼子母神さまことハーリティーはよく人の子をさらいを食べてしまっていたとか。困った人々の話を聞いたお釈迦さまは、ハーリティーには500人とも1000人とも言われる子供がいたので、1番可愛がっていた末の子供を逆に隠してしまったのだすると、ハーリティーは気が狂ったように我が子を探し回ったものの、見付け出す事が出来ず、やはりお釈迦さまに助けを求めに来たのだ。お釈迦さまはそこで、「お前には1000人もの子供がいながら1人がいなくなっただけでも、心配でたまらなかったであろう。だが、たった1人や2人しかいない子供を失った人々の悲しみ苦しみがどれ程のものか分かるかと言ってハーリティーを諭したのだ。その後、お釈迦さまの教えに従い、仏教の守護神となる事を誓ったのだ。後に、ザクロは人肉の味がするから、鬼子母神さまに代わりとしてお供えするようになったという伝説の為、特に日蓮宗のお寺ではザクロの木が植えられるようになったのだ。ただし、ザクロが人肉の味がするからというのはこの伝説がもとになって付け加えられた俗説のよう。ザクロは皆さんもご存知のように1つの果実の中にたくさんの果肉を付けた種を宿すのだどちらかと言えば、それにあやかりたくさんの子宝を願った人々の想いからお供えをされるようになったようなのだ。
おいらも毎年ザクロの実が割れて熟したのを見付けると、1番最初にいくつかのザクロを収穫し、おいらのお寺の鬼子母神さまにお供えするのだ。今年は愛娘、モンちゃんを授かったのでそのお礼とまた、お参りのお客さんの願いを叶えて頂けるように、さらに欲張っておいらにももっと子宝をお授け頂けるように祈りを込めてお供えをしてみたのだ
   ザクロは鬼子母神さまにお供えしてしてからお料理に   ザクロ寒天
ザクロが熟して少し経つと、今度は裏山のゆずの木が収穫の時期を迎えるのだ。こちらも毎年たくさんの実を付けてくれるのだけど、今年は特に豊作なのだこの木はかなり背が伸びてしまったので、ユズの実を取るのも一苦労。ちょうど、木の下に水のタンクがあるので、その上に登って高枝バサミで収穫するのだ。ゆずは枝に鋭いトゲがあるので、二日酔い頭などで油断して収穫すると手先なんかににトゲの洗礼を受けて大変なのだこのゆずは毎年、おいらの他にも収穫を狙っている方がいるのだ。それはお山のおサルさん達。なので、おいらも本当に高い所までは採る事が出来ないので、おサルさん用に少しおすそ分けを残してあげているのだ。おサルさん達はおいら達が寝静まっている夜中や早朝にやって来てはゆずを採っているのだ。でも、酸っぱくて食べられないのか、一口食べては「スッペーよ。ウキーと言って実を放り投げ、また1つかじっては「ウキャー、これもスッペーよと騒いで、延々と同じ事を繰り返しているのだ。おサルさんはいつかはあま~いゆずに当たるとでも思っているみたいなのだ。エサが無い時などは群れでやって来て、ゆずの木と言うより、サルの木状態になってる事も・・・
さて、収穫したザクロとゆずは本堂にお供えし、おいらのよく効く特別祈祷が施された後、おふくろと愛妻の手によってお客さんへのお料理用に使われるのだ。ザクロはお酒に漬けて食前酒用のザクロ酒になったり、ザクロの果汁を使って、ザクロの寒天やその他のデザートに使われるのだ。ゆずはお料理の薬味になったり、果汁でシャーベットを作ったりするのだ。たまにだけど、お客さんのお風呂にゆずを浮かべて、ゆず湯を楽しんで頂く時もあるのだ。
今年はザクロ、ゆずともに豊作だったのだ。このところは毎晩ゆずをたっぷり絞った、ゆずハイボールを飲みながら、秋の夜長を楽しんでいるうら順なのだ
   豊作のゆず   ゆずの木・左のタンクに乗って収穫するのだ

※我が家のダメいぬコロンくんも、さすがにザクロとゆずは食べないのだ
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