Menu
早いもので今年の秋のお彼岸も終わりですね。おもて順です
今回の台風も、各地で多くの被害をもたらしました。被災された皆さんには心よりお見舞い申し上げます。
おいらの住む身延山でも台風は近年稀にみる爪痕を残しました。身延山付近では9月20日の午後位から雨が降り始め、21日にもっとも台風が接近しましたその日は思った通り、おいらのお勤めする身延山奥之院と麓を結ぶ身延山ロープウェイも運休となり、おいらは台風に備えて自分のお寺で境内の見回りをしていました。
午後から夕方にかけて風雨が強まったので、おいらはお寺の境内をぐるりと1週して警戒をしました。すると、本堂裏手の排水路が詰まって、水たまりが出来ていました。おいらはすぐに排水路のフタを開けて詰まっていた泥やゴミを取り除きましたですが、裏手の沢に通じる配管がまだ詰まっていた為に、沢におりて排水の出口から棒を突っ込み詰まりを取る事にしました。この時点で沢にはかなりの水が流れ始めていました。普段はちょろちょろとしか水が流れていませんが、かなりの勢いです。油断していると足を取られそうになる勢いで、たまに大き目な石も足に当たります。おいらは、「あ~、台風で命を落としてしまう人は多分、大丈夫と思っていてもこんなシチュエーションで簡単に亡くなってしまうんだろうな。」とヒヤっとしながら、何とか作業を終えたのでした
その後さらに雨は勢いを増し、お寺の前の道路を見ていると、たちまちの内に道路は沢のようになり、濁った水や砂利が流れて行きました。おいらのお寺の裏手は山になっています。しかも、去年はしだれ桜を植樹するために、杉林を伐採した為に、土砂崩れが起きないかと、とても心配していました。山から流れ出る水もかつて見た事の無い量で、排水管も何とか吸い込んでいるものの、排水が追い付かないような量でありました。日頃から境内の安全ももちろんお祈りしていますが、この時ばかりはおいらは本堂で必死にご守護のお祈りを捧げました
再び外の見回りに行くと、おいらのお寺のある東谷参道の片隈沢川(かたくまさわがわ)は今まで見た事の無いほどの水量になっていました。短時間の内に、沢は茶色い水の激流になっており、門前町へと続く沢の水路は今にも溢れ出しそうでした。
かなり危険な状況になっていましたが、思っていたよりも台風が早く進んだおかげで、夕方4時過ぎには雨は止み、日も差してきましたおいらは心配だった山を調べに行くと、本堂裏の沢で山の斜面が少しだけ崩れていました。沢を半分ほどふさいでいましたが、この程度で済んだのは不幸中の幸いでありました。地元の消防団の皆さんや、町の役場の方も早速確認に来て下さり、出来るだけ早急に工事をお願いしたのでした。
しかし、1夜明け翌日になると台風の被害は想像を超えるものであった事が分かりました町のいたる所で大小の土砂崩れがあり、JR身延線も運休。町水道やおいらのご近所さんで使用している山水の配管も寸断され、給水車が巡っていました。
また、身延山から流れ出る清流、身延川も大変な事になっていました。身延川は身延山中から日蓮大聖人のお墓の脇を通り、門前町の裏側の通り沿いから、最後は身延山の入り口である総門付近で波木井川に合流します。おいらが門前町裏手周辺の川を見ると、川が土砂で埋まり河川敷が道路近くまで上がってしまっていましたまた、日蓮大聖人のお墓のそばの河川敷は遊歩道や公園が整備されていましたが、そこも土砂で埋まっていました。さらにその脇の道路では電柱が折れていたので、恐らく川は氾濫し、道路にも岩や倒木が流れていたようでした。子供の頃から、川遊びをしたり、釣りをした美しい川の変わり果てた姿に、おいらは胸がキューっと締め付けられ、悲しくて目が潤んでしまいました
身延川が家のすぐ裏を流れるお宅の方に聞いた話では、巨大な岩がゴロゴロと流れ、凄まじい音がしていたそうです。今回の川の様子を見ていると、もしももう少し雨の時間が長かったら甚大な被害になっていたのではないかと、恐ろしくなりました。
おいらはお彼岸のお経の合間に、お寺の周りに流れてきた土砂を片付けたり、寸断された山水の配管を調べる為に沢に入ったりしていました。何とか自分で出来る事だけはやってみましたが、元通りになるにはまだ少し時間がかかりそうです。今回のお彼岸は切なくて慌ただしく、ちょっぴりくたびれたおもて順でした

土砂で埋まった身延川 写真中央は滝で高さが4分の1ほどに埋まってしまった 元遊歩道と公園だった河川敷 折れた電柱
※いろいろな復旧箇所は最後はやはりプロ任せ。町もいたる所で大変な状況ですが、工事に携わる皆さんどうぞ宜しくお願いします
  • -
  • -