Menu
近頃はポカポカで気持ちいいですね。おもて順ですでも、28度位まで気温が上がるらしいから、暑いかも。
さて、例年5月3、4、5日はおいら達のお寺が所属する日蓮宗全国約5000ヶ寺の総本山である、身延山久遠寺では千部会(せんぶえ)が行われます。と言っても一般の方には何の事かさっぱりお分かりにならないと思いますがこれは字の如く、祈願や供養の為に経典を千部(千巻)お唱えする法要儀式の事です。各宗派でそれぞれの経典が読経される訳ですが、おいら達がお唱えする法華経の千部会が代表的なものです。『続日本紀』には、天平20(748)年7月、聖式天皇が先帝元正天皇の崩御に際し、法華経千部を書写して供養を行ったとの記録があり、それが始まりのようです
現在でも簡略化はされているものの、身延山久遠寺を始め全国の日蓮宗寺院で千部会が行われています。久遠寺の千部会は久遠寺の法主猊下(ほっすげいか・久遠寺のご住職さま)がお導師をお勤めになり、式衆(式中に参列する僧侶)に身延山に点在する各坊のおいら達住職や副住職が参列しています本年も千部会は行われましたが、最終日の5月5日の法要が変更となりました。本年は東日本大震災の早期復興と、物故者の皆様のご供養を祈り、大国祷会(だいこくとうえ)が行われる事になったのです。
古来より日本では勅願寺(ちょくがんじ)が建立されるなど、皇室、大名、将軍等によって国家の安泰や様々な祈願が行われて来ました。時にそれはのべ数百人、数千人の僧侶が係わる大規模な儀式になりました他宗ではどうか存じませんが、日蓮宗の寺院では現在も国家の安泰、繁栄や皆様の様々なご祈願も合わせて大規模ではないものの、国祷会を営んでいる所が今もあります。
今回、身延山久遠寺で行われた大国祷会は『大』の文字を冠するだけに、おいらが知っている限りでは1番多くの僧侶が集まって行われた式となりました。久遠寺の法主猊下がお導師をお勤めされるのは変わりませんが、式衆に山梨県、静岡県から130名程の僧侶が集い式が執り行われました。今回集まったのは、日蓮宗の僧侶でも特に『修法師』(しゅほっし)と呼ばれる100日の大荒行の中で、日蓮宗独自の祈祷法を相伝された皆さんです。この荒行は11月1日から2月10日までの100日間を1日、2時間の睡眠以外は7回の水をかぶり身を清める水行(すいぎょう)と、読経三昧に明け暮れますその他は1日に2回のおかゆと漬物、味噌汁程度の食事で身を養い、心身共に極限の中で祈祷法が相伝されるのです。中には3回、5回、10回と荒行に入られる方もいます。ちなみにおいらも2回修行に行ってきました。
大国祷会には、僧侶の他にも今回は一般のお参りのお客さんも大勢参拝され、久遠寺大本堂の中は人で一杯でありました式が始まると130名の僧侶が一斉に唱える力強い読経の声が堂内に響き渡りました。そして、大荒行で相伝された、独特の木剣(ぼっけん)という法具を使った祈祷が始まると、九字を切る際に出る法具の音、祈祷のお経もピタリと揃い、迫力の中にも荘厳さが漂う素晴らしい式でありました最後に法主猊下がお祈りを捧げた僧侶、参列の信徒の皆様を代表され、日本国の早期復興と安泰、被災者の皆様の心身の安泰を祈念され、また物故者の皆様のご供養を申し述べました。
おいら達の心のお師匠様、日蓮大聖人は「異体同心なれば万事を成ず。」と申されています。今回の大国祷会もまさに、「僧侶、信徒を問わず皆の心が一つになっているなぁと、何とも言えない不思議な感覚を味わう事の出来た法要でありました。この日の皆さんの復興の願い、ご供養の志はきっと佛さま神さまのお助けを得て、叶えて頂けるのではないかと強く感じました

   読経する僧侶  祈祷する僧侶  おいらが使う木剣3号
※身延山はこれからの季節は新緑が美しいですよ梅雨に入る前にぜひお参りにお越し下さいね
  • -
  • -