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今朝は寒いと思っていたら、おいらがお勤めする身延山の山頂は雪が舞っていました。おもて順です
花屋さんに支払いがあったので、朝一で行ってみると驚きの情報が。「昨日の火事は大丈夫だったかねぇと花屋のおじさんが言うので、全く知らなかったおいらはどこで起きたのか聞いてみました。すると火事があったのは以前お話をした、ゆかいな仲間のけん坊のお寺のすぐ近くだったのでした幸い火事でケガをされた方もいないという事だったけど、心配したおいらはすぐにけん坊に電話をしてみました。けん坊によると、夜中の1時頃に火事が起こり、けん坊もすぐに消火器を持って駆けつけたとの事。お寺には何も被害はなかったけれど、すぐそばで火事が起こってとても怖かったと言っていました。おいらのお寺とけん坊の所はそんなに離れていないので、消防車が通ればすぐに分かります。でも、たまたま昨晩はおいらのお寺の前辺りを通行止めにして、夜中に舗装工事が行われていたので全く気が付きませんでした
けん坊はおいらの気持ちが分かりましたと言ってくれたのだけど、実は数年前に1度とおいらが幼い頃にもにおいらのお寺の目の前で火事が起こっていたのでした。1度目はおいらがまだ幼稚園か小学校低学年の頃むかいの家が火事になりました。寝ていた所を起こされて、寝ぼけていると先代住職だった親父があわてて本堂から、仏像や位牌を袋や風呂敷につめて持って来たのをよ~く覚えています。この時はおかげさまで特に被害はなかったようです。でも、子供心に怖かった事を覚えています。
2度目はおいらが住職になってからの事。夜中に「パンパンという音がしたのでおいらは目を覚ましました。時計を見ると夜中の3時。寝ぼけまなこで部屋の窓を開けると、本堂をはさんだ道路の反対側が炎で明るくなっていたのでした。音の正体は山の竹が燃えて破裂していたのでした。瞬時に火事と気が付いたおいらはすぐにおふくろと姉貴、そして宿泊されていたお客さまを起こし、消防署に連絡するよう告げ現場に向かいました(この時はおいらも姉貴もまだ独身。)おいらが行くとちょうど火の元の隣の家族が逃げ出していた時で、まだ誰も来てはいません。おいらのお寺にも火はまわっていませんでした。しかし火は勢いを増し、すでに隣の家まで延焼していました。ガスボンベにも引火し、炎が噴出していましたおいらは最悪の状況を想定して、すぐにお寺に戻ると本堂に駆け込み、ご本尊日蓮大聖人などのご尊像過去帳お位牌を運び出しました。「南無妙法蓮華経。南無妙法蓮華経。どうかお守り下さい。」と心に念じながら必死で運び出していると、宿泊のお客さまがやって来て「お手伝いします。」と言って手伝って下さったのでした。その間にも消防車が到着したので、消火と同時においらのお寺の本堂の屋根に水をかけてもらうように姉貴に言付けたのでした仏具の運び出しを終えると、現場には多くの方が集まっていました。おふくろは目に涙を浮かべ、「どうしよう。どうしようと、とり乱しているようでした。それもそのはずです。亡くなった先代住職の親父とおふくろが一世一代の覚悟で心血を注ぎ、大勢の方のご協力を頂いてやっとの想いで新築した本堂です。まさにそれが炎に飲み込まれるかもしれない様子を目の当たりにしたのですから、動揺するのも当然です。おいらは「大丈夫。大丈夫。」と声をかける事しか出来ませんでした。
消火は順調に進みましたが、水をかけてもらった本堂の屋根を見ると、熱さで銅版の屋根から湯気が立ち上っており炎の強さに驚いたのでした明け方、完全に鎮火をすることができましたが、残念ながら数件が全焼となってしまいました。おいらのお寺には火が燃え移ることはなく、家族、宿泊のお客さんともどもほっと胸を撫で下ろしたのでした。この時のお客さまには大変申し訳なく、ご宿泊代を頂戴できない旨をお伝えしました。ですが、どうしてもとおっしゃられ、宿泊費もお支払い頂き大変恐縮でありました。この場をお借りして、今一度お礼申し上げます
おいら達はお坊さんの基礎を学ばせて頂く修行時代に、大恩師の先生からこんな事を教わりました。やはり先生も若い時に勤めていたお寺が火事になり、色んなものを運び出したお話をして下さいました。そして、「火事などの万が一の時は、まず本堂のご本尊やご尊像、過去帳やお位牌を運び出しなさい。」と懇々と教えて下さいました
火事の危険がせまった時の親父の姿を見たり、昔から現代に至るまで火事の時の同じような話は聞いたことがありました。ですが後年、自身がいざその立場になった時、「まさか自分がこんなに早く同じ体験をするとは。」と痛切に思ったのでした。また、親父の姿や先生のお言葉があって多少なりとも心構えも出来ていた事に、あらためて感謝の念を抱いたのでした。
人生は一寸先は闇。私も火の元には十分気をつけて参りたいと思います。これからの季節、皆さまもどうぞお気を付け下さいませ。

  湯気が上がった志摩房本堂の屋根  古来より伝わる志摩房の火の用心看板  「火の用心なのだ。」byダメいぬコロン


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